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2022/09/09 22:44

こんにちは。かわばた園の佐藤です。

僕は大学卒業後、会社員として働いていましたが、2018年から実家の家業を継ぎ農家となりました。

現在は、栽培から製造までの全てを自信をもって「良いもの」だと言える、信念を貫いた”農薬不使用のお茶”を作っています。

勤めていたのは鉄鋼業界の大手メーカーだったので、年功序列で勤めていれば年収1,000万円も到達可能な会社でした。


なぜそんな会社を辞めてしまったのか?


この記事では、僕が年収1,000万万円を捨てて農家となった理由や想いを書いていきます。


ボランティア活動を通じて感じたモノ作りの重要性

まずは僕が鉄鋼メーカーに就職した理由から。

大学在学中の 2009年から2013年にかけ、国内外の災害地や貧困地でのボランティア活動に参加し、格差や貧困、災害など恵まれない世界を目の当たりにしました。

ボランティアで訪れたのは海外ではフィリピンとインドにそれぞれ3週間ほど、国内では東日本大震災の後、2011年6月に宮城県東松島市3日間活動を行いました。

東京からインドは飛行機で12時間、フィリピンはバスも含め8時間程度、東松島市は夜行バスで7時間で到着します。たった半日の移動です。

たった半日で海外ではスラム、国内では津波の被害にあった場所に行ったので、日本での自分の生活との差に強い衝撃を覚えました。

数時間前まで一切の不便もなくあらゆるものがすぐに手に入る便利生活をしていた場所にいたのに数時間でそれが全く変わってしまった。

現地の生活と自分の生活は何が違うんだろうと考えた時、日本での自分の暮らしを支えていたのは膨大な量のモノであって、ボランティア先はモノ自体がほとんどない。

また、自分の便利な生活を支えているものを見回したとき、車、飛行機、パソコン、携帯電話などなど、多くのものに鉄が使われていたので、鉄鋼業界がいいなと思うようになりました。


ボランティア先で出会った大学生の話

インドのボランティアでは多くの日本人が泊まるドミトリーに宿泊をしていました。

オリッサ州のプリーというところにある サンタナ という宿です。

多くの世界一周旅行者が長期滞在するこの宿で、僕は1人の卒業旅行中の大学生と出会いました。

1学年上のその人は某大手国内化学メーカーへの就職が決まっており、就職活動前だった僕はなぜその会社を選んだのか聞いたところ、その人の友人であるアメリカ人の話をしてくれました。

そのアメリカ人は「アメリカこそ世界No.1だ!」ということをよく言っていたそうです。

しかし、そのアメリカ人の暮らしは多くの日本メーカーの白物家電に囲まれており、アメリカがNo.1ということを言っていても、結局は日本のものづくりの上で便利な生活をしているじゃないかと感じ、日本の化学メーカーへ就職を決めたそうです。

もともとモノづくり業界に興味を持っていたので、この話は僕なりにすごく説得力があり、「やっぱり日本のモノづくりはすごいじゃないか!」と自分の中で納得していました。


日本でしか作れない鉄に関わりたい

こうした経験から、「日本でしかできないモノづくり」「鉄鋼」という2つの軸で就職活動を行い、幸いなことに第一志望の会社に就職することができました。

この会社は世界で4社しか作れないとある部品のシャフトや大手メーカーのメガサプライヤーとなっていたりと、まさに自分がイメージしていたモノづくりに関わることができて嬉しかったです。

そこではステンレスや肌焼鋼、強靭鋼などの生産や納期、物流の管理までの経験を重ねキャリアを積み上げました。

某スマートウォッチの試作を前任の先輩が行い、量産を自分が担当したときは目に見えるものとして自分が関われたことがとても印象的でした。


鉄とお茶の共通点

会社員として働き始めて3年。2017年、母が体調を崩し、父が農作業を一人でこなす状態になってしまいました。

また同じ年に還暦を迎えた父の、年を重ねた姿を目にし、直感的に「自分が継ぐ」ということを決め、鉄鋼メーカーを退職しました。

鋼鉄メーカー勤務とお茶農家、職業は全く違いますが、僕の求める"日本の技術や良いモノで豊かな世界を作る仕事"に変わりはありません。

豊かな暮らしをイメージしたとき、大半を占めるのはモノであり鉄だと思い、鉄鋼メーカーへの就職を選びましたが、豊かな暮らしの一部にお茶はあります。

丁寧にお茶を淹れ、大切な人と、美味しいお菓子を一緒に楽しむ。

暮らしをつくる割合や大きさは違いますが、お茶を飲んでもらうことは豊かな暮らしの一部になると思い「お茶をやろう」と決めました。


かわばた園に就農

そして2018年、かわばた園の 3 代目として就農。

先代から半世紀にわたり、続けられてきたお茶の有機栽培を引き継ぎました。

少し遠回りしながら巡り巡って戻ってきた家業で、僕は次の世代にこの農業を伝えたいと思っています。

自然環境や人々の健康を守っていくこと、美味しさへの追求、喜びある豊かな暮らし。

私たち”かわばた園のオーガニック茶”を媒体として自分らしく世界にお茶を届けていけたらいいなと思っています。

最後までお読みいただきありがとうございました。


かわばた園

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