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2023/01/10 21:22



こんにちは。かわばた園の佐藤です。
僕は2018年に会社員を辞め、家業の農家を継ぎました。


有機栽培を続ける3つの理由


続いてきた伝統を守る
工夫が多くて楽しい
化学的に合成された農薬や肥料は必要ない


この記事では、僕が有機栽培を続けている理由のひとつである、”有機栽培で完璧作れば、化学的に合成された農薬や肥料は必要ない”と思ってること。


化学肥料や農薬について僕が考えることをお伝えできればと思います。


続いてきた伝統を守る””工夫が多くて楽しいについては、それぞれ詳しくまとめていますので是非ご覧ください。




化学肥料の何がダメだと思うか


実は化学肥料に関してそんなにダメだとも思っていません。


硝酸体窒素などは土壌から地下水に抜けて、静岡のお茶産地で水質汚染を引き起こしたことがありました。


また、使いすぎたせいで土壌があまりにも酸性に傾きすぎて、植物が育ちづらい環境になってしまったことは事実です。


なので使い方、量は要注意だと思っています。


ただ、硝酸体窒素は有機肥料を使っても発生する時はあります。


結局、植物にあげたいのは有機とか化学の部分ではなく、窒素、リン酸、カリウム、カルシウム、マグネシウム、銅、鉄、マンガン、ホウ素、亜鉛、などなど個別の必要な元素です。


最終的に植物が吸収できるところまで分解されてしまえば、それが元々化学肥料だったのか、有機肥料だったのかなんて区別は植物にはありません。


この目的さえ達成されれば何だっていいんですが、有機栽培というルールの中で工夫する方が楽しさを感じられます。


何でもありよりも、ルールの中で難しい壁に対して挑戦する方が楽しいのです。




農薬の何がダメだと思うか


農薬に関しては使いたくないなと思う理由があります。

理由はこの2つです。


・環境を大きく変えすぎてしまう
・安心して使えない


そもそも農薬と大きく括ると、実は農薬は使っています。というか勝手に畑に入って来てしまいます。


例えば”てんとう虫”


農林水産省でもてんとう虫が農薬の括りであると記載があります。



"多くのテントウムシはアブラムシを食べるので、テントウムシを使えば、アブラムシの被害から植物を守ることができます。


このように害虫などから植物を守るために利用される生物は、人工的に殖やされ、「生物農薬」として販売されています。"


農林水産省:農薬について知りたい方へ より抜粋


このように、農薬と大きく括ってしまうと、様々なものが農薬として扱われます。


茶畑などにてんとう虫が絶対に来ないなんてことはないので、意図して使っているわけではないけど、てんとう虫のように結果として使っている状態にはなっているものがいくつかあると思います。


なので私たちは”化学的に合成された”農薬や肥料は使用していないという説明をしています。



環境を大きく変えすぎてしまう


ではなぜ化学合成された農薬がダメだと思うかというと、多様性のある環境を一様な環境にガラッと変えてしまう恐れがあると思っているからです。


病気の原因になるカビをやっつけるために、畑の環境の中にいる有用な多種多様な微生物も同じように死んでしまう。


そうなると特定の微生物の代謝物の栄養や、狂ってしまう植物のメカニズムもあるんじゃないかと考えています。


「土壌の微生物の多様性と植物の病害虫に対する抵抗力は正の相関がある」とある肥料メーカーの方もおっしゃっていたので、人間が理想だと思っている方向に一様に向かわせることは、土の中の生物多様性を損い、強い植物を作る上であまり良くないことなんじゃないかなと感じています。



そもそも使う人の安心は大丈夫?


化学合成された農薬を使わない別の理由は、使う人側の問題です。


冒頭の別記事でも書いたように、私の曽祖父は農薬が原因で体調を崩してしまいました。


それを見た祖父が1972年にそうしたものを使わないと決めたことが今まで続く有機栽培の始まりです。


今とは使っている農薬の種類や安全性、使い方などの差はあるにせよ、事実として自分の身内にこういったことが起こっていると…。


何より安心して使えないんです。


安全と安心は大きく違います。


適切な農薬の使用が安全であるのは様々な研究、調査があるので納得しています。


ただ、やはり除草剤や農薬が霧になって農家にかかっているのを見て、いいなとは思えないし、安心して使うことはできない。


気持ち的に納得できない作り方でできたものを、自信を持って「これが最高傑作です!」と言えない。


そうであるなら、やはり僕は化学的に合成された農薬は使わないでものを作り、これを食べてくれ!と自信を持って言いたいと思います。



かわばた園

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